第11回目となる今回は、いわき市からお薦めの店舗を採り上げたい。今回ご紹介するのは、『麺処 瓢たん。』。
同店が提供する麺メニューは、「中華そば」「塩ラーメン」「瓢たんブラック」など。
いずれの商品もハイレベルだが、初訪問時にぜひ、召し上がっていただきたいのは、福島県内外のラーメンマニアから高い支持を獲得する不動の看板メニュー「瓢たんブラック」だ。
注文から幾ばくかの時を経て卓上へと供された1杯は、その名が示すとおり、漆黒に近いスープが目を引く印象的なたたずまい。
ひと口啜れば、素材の持ち味を十全に活かした滋味の奔流が味蕾へと流れ込む。黒々としたビジュアルから湧き上がる力強さの奥に、穏やかな口当たりとうま味が息づく。
これらが相まって生まれる滋味は喉元を通り過ぎた後に淡い余韻を残し、身体中の細胞を優しく癒やすかの如く、食べ手の五感へと沁みわたる。
味の主役を担うのは、たまり醤油。舌上で豊かなうま味を奏で、スープ全体に確かな輪郭を与える。そこに黒胡椒の鋭い刺激が加わることで、凛然たる味わいが生まれる。
さらに、背脂の円やかな甘みが重なり、醤油のうま味と黒胡椒の刺激を大らかに抱き止める。
三者の役割分担が明確であることも、特筆に値する。重厚なコクを秘めるたまり醤油が黒胡椒の刺激を際立たせ、そして背脂の甘みを浮かび上がらせる。さらに、背脂の円やかさが醤油と黒胡椒の個性をひとつへと束ね、甘美な余韻を紡ぎ出す。その連鎖が、味わいに豊かな抑揚をもたらしているのだ。
このスープに合わせるのは、啜り心地の軽やかな中細ストレート麺。スープをまとった麺を啜れば、舌上にほのかな麦の香りが広がり、柔らかな芳香が鼻腔をくすぐる。
ラーメンの魅力は、必ずしも、素材の豪華さや味の強さだけで決まるものではない。相異なる個性をどのように調和させ、ひとつの味わいへとまとめ上げるか。
『麺処 瓢たん。』の「瓢たんブラック」は、その妙をまざまざと実感させてくれる。漆黒のスープに宿るのは、個々の素材が放つ味わいだけではない。それぞれの個性が交錯することで生まれる、単独の素材では成し得ない深みと一体感だ。
身体の隅々に染み渡るような滋味と、たまり醤油・黒胡椒・背脂が織り成す深遠なコク。その二つがひとつの丼の中で響き合う「瓢たんブラック」をぜひ、ご自身の舌で確かめていただきたい。
Information
麺処 瓢たん。
- 住所
- 電話番号
- なし(問い合わせはInstagramにて)
- 営業時間
- 11:00~14:00
- 休み
- 毎週月曜日、臨時休業あり
※詳細はSNSにて確認を - 駐車場
- 20台
- リンク
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https://www.instagram.com/hyoutan_2008/

