「だいじょぶだぁ」には誕生秘話が2つも!
ドラマの中で、重鎮の作曲家・小山田耕三を演じている志村けんさん。皆さんご存じの通り、数々のギャグで日本中を沸かせた偉大なコメディアンですが、実は福島県にとてもゆかりが深い方です。なんせ、代表的なギャグ「だいじょぶだぁ」は、福島弁(訛り)をヒントにして生まれたのですから。
志村さんが喜多方市に住む親戚の元を訪ねた際に、「あがっせ、あがっせ、だいじょぶだぁ」と言われたのがヒントになったというのは、地元(特に会津地方)では有名な話です。
で、それとは別に、郡山市西田町にある「でこ屋敷」(歴史ある伝統的工芸品の工人集落)をテレビのロケで訪ねた際、集落にある茶屋のおばあちゃんが「お代はいらない。だいじょぶだぁ」と言ったのがヒントになったという説もあります。こっちも、喜多方説に負けないくらい有名です。
志村さんの死去後、地元の新聞社が関係者にきちんと取材した上で、この「喜多方説」と「でこ屋敷説」の2つの説を記事にしていたので、おそらくどっちも正解なのでしょう。複合的に絡み合って生まれたギャグなのかもしれません。
いずれにしても、福島県の方言(訛り)が、偉大なコメディアンの琴線に触れたのは事実。私たち福島人は、もっと自分たちの言葉の魅力に気付くべきかもしれませんね。
さて、子どもの頃から「志村けん=ギャグの達人」と刷り込みされて育った私。ドラマの中で志村けんさんが登場するたびに、どうしても抑えられない衝動があります。それは、「どこかのタイミングで豹変して、『だいじょぶだぁ』と言いだすんじゃね?」という妄想。そんなコントみたいなことはないと分かっていても、ついつい期待してしまいます。
もう、志村さんの登場シーンはないのかもしれませんが、せめてもう一度、「だいじょぶだぁって言って!」と、心の中でつぶやきたいな~。