福島県猪苗代町にある「沼尻温泉」と「中ノ沢温泉」の湯は、安達太良山の西麓にある源泉・沼尻元湯から引湯している温泉です。沼尻元湯は毎分13,400リットルと、日本有数の湧出量を誇ります。どの施設でも、湯を贅沢にかけ流しで提供しているのが魅力です。今回は紅葉の時期にぜひ行ってほしい、露天風呂からの眺めがすばらしい施設を紹介します。

登山家の故・田部井淳子さんゆかりの高原ロッジ

猪苗代町の東に温泉宿が数軒点在する自然豊かな温泉地「沼尻温泉」。磐梯山や安達太良山など
に囲まれ、近くには沼尻スキー場やゴルフ場があり、年間を通して高原リゾートを楽しめる所です。

温泉宿の一つに、福島県出身の登山家であった故・田部井淳子さんが、かつてオーナーを務めていた『沼尻高原ロッジ』があります。彼女の亡き後、数年の時を経て2019年11月にリニューアルオープン。モダンな内装に生まれ変わったロッジのラウンジには田部井さんゆかりの品々も多数展示されています。

沼尻温泉の泉質は「酸性・含硫黄ーカルシウム・アルミニウムー硫酸塩・塩化物泉」。硫黄を含む「酸性泉」です。pH値は2.1と強酸性に近く、酸性泉特有のさっぱり感をイメージしがちですが、泉質名にあるとおり、複数の成分を含んでいる温泉なので、それぞれの特徴を併せ持ったとても魅力的な泉質なのです。

ロッジのすぐ隣りにはカフェ「nowhere」（営業時間／10：00〜16：00、定休日／毎週火・水曜日）があります。広々とした店内では、「オリジナルスパイスカレー」（1,300円）や季節のケーキセット（1,300円）などが味わえます。

毎週金・土・日曜日には自家製パンの販売も行っていて、持ち帰りも可能です。温泉に入ってリラックスした後に、カフェでゆったりした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか？

※2020年10月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため当面の間、日帰り入浴は土・日曜祝日のみの営業となっております。

静かな山あいに湯の流れる音が響く露天風呂

沼尻温泉のほど近く、猪苗代町の国道115号線と母成グリーンラインが交わるところに「中ノ沢温泉」があります。温泉街の一番奥にある宿が『磐梯 西村屋』。

おすすめは露天風呂。館内の中ほどから履き物を替えて外へ出ると大きな中庭があり、庭を抜けた先に湯小屋があります。露天風呂の奥には川が流れていて、川のせせらぎと湯船に勢いよく温泉が流れ込む音が重なり、心地良い時間を過ごせることでしょう。

館内には「檜風呂」と大きな岩が印象的な「岩風呂」、趣の異なる2つの内湯があります。どちらの風呂も、隣にもう一つ湯船があり広々としています。

「中ノ沢温泉」の湯は、沼尻元湯の源泉を引湯しているので、泉質は沼尻温泉と同じ。湯の花の量や、季節や気温によって湯が白濁する濃さが違うのが魅力です。

露天風呂から楽しめる四季折々の景色と、贅沢にかけ流しで堪能できる温泉を、一度試してみてはいかがでしょう。

※2020年10月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため当面の間、土・日曜祝日の日帰り入浴は人数制限を行う場合があります。